現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
125例の肝癌、非癌部の切除と凍結標本を用い、体細胞遺伝子変異(TP53, CNTTB1, TERT promoter)をdirect sequenceで解析し、がん抑制遺伝子(TSG)プロモーター異常メチル化レベル(APC, CDKN2A, RASSF1A, HIC-1, GSTP1, RUNX3, SOCS1, PRDM2)、ゲノムワイド脱メチル化レベル(Alu, LINE1,Sat2) をCOBRA, MethyLight法で定量、さらにゲノムワイドの染色体コピー数変化をABI PRISM Linkage Mapping Set Ver. 2にて定量した。それらの各パラメーターを、体細胞遺伝子変異の有無、TSGプロモーター高メチル化、ゲノムワイド脱メチル化レベルの有無(階層クラスター解析により判定)、染色体不安定性の有無(染色体コピー数変化を基にしたFALスコアで判定)にカテゴリー化し、対応分析とクラスター解析により、肝癌をsubgroupに分類し、各subgroupの腫瘍の臨床病理学的特徴と遺伝子変化と特徴を検討した。上記の結果を基に、スコアリングシステムを構築し、25例の肝癌移植例の遺伝子解析を行い、移植後の肝癌再発が予測しうるかを検討した。さらにvalidationとして、公共データベース(TCGA)より、376例の肝癌切除例のexsome sequencing, HM450によるmethylome, Affymetrix SNP6による染色体コピー数解析結果をダウンロードし、治癒切除後の無再発期間(PFS)を検討した。これらの結果より、構築した分子スコアリングの転移予測には有意な結果が得られ、目的とする転移予測と、その関連遺伝子の絞り込みに進展が見られたと考えられる。
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