本研究課題ではRNF43遺伝子ノックアウトマウスを作製し、解析を行った。RNF43はE3ユビキチンリガーゼをコードしており、Wntシグナル伝達を負に調節する。RNF43 KOマウスはメンデルの法則に従って生まれ、その後の成長にも野生型と比較して、差は認めなかった。RNF43の体細胞変異が大腸がんおよび子宮膜がんの18%以上に見られることから(Nat Genet, 2014)、アゾキシメタン (AOM)と DSS をマウスに投与し(AOM/DSS マウス)、大腸がん発がんに差が見られるか 検討を行った結果、腫瘍の増大を認め、RNF43が大腸がんの進展を抑制する働きがあることが判明した。
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