研究課題/領域番号 |
16K09402
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
喜多 絵美里 千葉県がんセンター(研究所), 消化器内科, 医長 (20773980)
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研究分担者 |
筆宝 義隆 千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 部長 (30359632)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 膵癌 / オルガノイド |
研究実績の概要 |
現在、EUS-FNAによるオルガノイド培養は20例で施行しており5例で培養に成功している。培養の条件設定を探索中であり、余剰検体による微小検体からの培養についても継続的に試みている。 培養条件の検討が細胞数が少ないため、同時に多種の条件検討が難しく、条件検討の設定は困難が多い。現状では一検体につき一条件での検討にとどまっており、検体量が得られた症例で多種の条件を試行予定である。 培養成功した細胞については順次、ブロックを作成し培養細胞の病理学的評価を行っている。病理学的な検索においては、必要に応じて免疫組織学的検査や遺伝子検索を行っている。臨床経過で化学療法を行っている症例では、培養細胞で、同様の作用機序をもつ抗がん剤での感受性検査も併せて検討していく予定である。培養した細胞はマウスへの接種を行い、そこから皮下腫瘍が得られた検体については、病理学的な評価および遺伝子学的な評価をあわせて行っている。手術検体が得られた症例ではオルガノイドから得られた切片、手術検体および皮下腫瘍が得られた症例では皮下腫瘍との比較も行っている。手術症例からの培養については、血流遮断から腫瘍検体を得られるまでの時間が長く、腫瘍のviabilityが低下している状況であり、培養成功は難しいケースが多いため、検体採取方法について再度検討し、また、腫瘍細胞の検体処理についても保存液を変更するなど、再検討を行い培養成功率の上昇に努めている。また、臨床検体では細胞への真菌感染が生じ培養継続が困難になる場合もあり、検体採取時または初代培養時の処理段階での感染が考えられることから、培養開始時の検体処理について感染予防策を講じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
EUS-FNA検体症例の減少や穿刺回数増加に対する研究非同意の症例もあり、症例数が伸び悩んでおり、至適条件検討を行うに十分な症例数が得らえていない状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
少数ずつではあるが、症例数を重ね、条件検討をすすめていく。培養プレートや培地についても数種類の条件変更を行い検討中である。培養成功例での形態学的、遺伝子学的検討をすすめ、免疫組織学的検査や次世代シークエンサーを用いた検討も行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要物品の購入が主な使用用途であったが、分割での購入が難しいものも多く、残金が発生した。研究必要物品の購入に際し、併せて使用させていただきたいと考えている。
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