本研究では、質量分析・ペプチドミクスの手法を用い、膵腺癌細胞株2種類、膵腺癌の発生母地とされる膵管上皮の樹立細胞株が無血清培養上清に放出するペプチドのプロファイリングを行い、得られた配列を前駆体タンパク質上にマッピングすることで膜タンパク質のプロセシング部位の特定を進めた。膜タンパク質アミロイドβタンパク質の細胞外、細胞膜内での特異的切断部位が追認され、このアプローチの有効性が示された。また、細胞外領域の切断現象自体が知られていないか、あるいは切断部位が特定されていなかった細胞接着因子、受容体型チロシンキナーゼなどの膜タンパク質も特定された。
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