研究課題/領域番号 |
16K09405
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
竹内 学 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10621021)
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研究分担者 |
寺井 崇二 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00332809)
佐藤 祐一 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00401761)
橋本 哲 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10768667)
味岡 洋一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80222610)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 食道表在癌 / 腫瘍血管 / デジタル実体顕微鏡 / 3次元解析 |
研究実績の概要 |
食道癌は胃癌・大腸癌に比べ悪性度が高く、粘膜筋板 (Muscularis Mucosa; MM) に浸潤した段階から転移をきたす。一方、粘膜固有層までの段階であれば、内視鏡治療(ESD)で根治治療が可能である。治療方針決定には、壁深達度の正確な評価が重要であるが、現在の画像診断ではMM浸潤の深達度診断率は60%程度に留まるため、より精度の高い診断法が必要である。浸潤初期での腫瘍血管の形態変化を捉えることが正確な深達度診断に繋がると考え、本研究では3Dデジタル実体顕微鏡蛍光イメージングによりESD新鮮切除標本の血管構造を異なる波長を用いて立体的解析や、Endoglin/CD105・VEGF染色などによる各種血管新生因子の検討により食道癌3D微細血管診断学を確立することが主目的である。 申請者はこれまでに、現在広く使用されている日本食道学会拡大内視鏡分類に基づき多施設で前向きに食道癌に対する深達度診断正診率等につき検討を行い、これまでに約600例の病変におけるdataが集積し、現在解析し論文化予定である。 また同時にデジタル実体顕微鏡蛍光イメージングにて切除標本の血管の撮影を行い、この所見を基に深達度との相関を検討している。さらに数例においてNBI併用のEndocytoscopeにより生体での血管の観察を行い、血管径・口径不同・走行不整などの所見を数値化している。 また上皮細胞増殖のマーカーであるEndoglin/CD105やVEGF・第VIII因子は腫瘍血管で強発現するため、この抗体を使用し血管の免疫染色を行い、陽性血管のMVDを測定し、MVDと深達度との相関を検討することで深達度別の血管新生プロファイルを作成する。 最終的にNBI併用Endocytoscopeによる血管分類を作成し、新たな3D微細血管診断学を確立する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本食道学会拡大内視鏡分類に基づく多施設で前向きに食道癌に対する深達度診断正診率等の検討は、これまでに約600例の病変におけるdataが集積し、現在解析し論文化予定である。 また複数例におけるデジタル実体顕微鏡写真の撮影も終了し、これにより撮影された血管と深達度の相関も現在検討している。 最近導入したNBI併用のEndocytoscopeにより生体での血管の観察を実際に行っており、血管径・口径不同・走行不整などの所見を解析している。
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今後の研究の推進方策 |
T1a-MM/SM1癌に対するEndocytoscopeよる血管診断学の有用性に関する自施設で臨床応用に関する研究の可能性を研究分担者と行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
食道学会拡大内視鏡分類に基づく多施設共同研究におけるdata集積および解析に関して予定としていた額よりかなり少なめの使用額で十分であった。 またEndocytoscopeの購入において病院での購入が可能であった。 今後は論文化および国際学会での発表を予定しており、これに主に使用する予定である。
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