本研究は、侵襲的血行動態検査およびマルチバイオマーカーの計測を行い、慢性循環不全に合併する多臓器障害の病態、予後を解明することである。本研究成果として、(1)冠動脈疾患患者の血清サイクロフィリンAとアディプシンを検討し、予後イベントと関連することを示した。(2)慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者では、血清サイクロフィリンA値が肺血行動態に相関し、肺動脈バルーン拡張術の治療効果判定に有用であることを報告した。(3)成人先天性心疾患患者をにおいて、HCV感染合併、MELD-XIスコア高値、心電図PR間隔延長が、心血管予後と関連するバイオマーカーとなる可能性を示した。
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