研究課題
心不全はあらゆる心臓病の終末像であり、癌とともに最も予後不良な疾患群の一つである。また、社会の高齢化や、食生活・生活様式の変化による肥満関連疾患(高血圧症、糖尿病など)の増加の影響は大きく、日本の心不全患者は、2035年には130万人に到達すると予測されている。しかしながら、心不全の病態生理はいまだに不明な点が多く、有効な治療法も確立されていない。そこで、本研究では、網羅的代謝物質解析技術(メタボロミクス)を用い、臨床的指標と比較検討することにより、心不全患者(特に、治療抵抗性患者)における代謝リモデリングの解明を目指す。それにより、心血管疾患の発症と進展に関与する未知の代謝メカニズムを明らかにし、新たな病態解明、それらを標的とする新しい治療戦略の基盤の構築、病状把握のためのバイオマーカーを確立する。また、その結果を遺伝子改変マウスの作成等、基礎研究へ還元することにより、より深い病態解明につなげることを目標とする。心血管カテーテル検査を施行し、その際に計4ヵ所(動脈: 末梢動脈血・大動脈血、静脈: 末梢静脈血・冠状静脈洞血)から血液検体を採取、後日にこれらの検体を用いてメタボロミクスによる代謝リモデリングの解析を行ったところ、ミトコンドリア代謝に関するメタボライトが治療抵抗性心不全患者で変化していた。並行して心筋生検サンプルを用いたトランスクリプトーム解析を行ったところ、ミトコンドリアのフージョンに関与する分子(Mfn1)の発現が治療抵抗性心不全患者で低下していることがわかった。マウスモデルを用いた検討から、Mfn1が心不全治療反応性に関連する分子であることが明らかとなった。
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