2018年度は、これまでの基礎的実験の成果をまとめ、本治療の臨床応用に向け、大動物(ブタ)で実施する予定の非臨床試験の準備を進めた。本研究でこれまでに得られた知見を、今後、臨床応用するにあたり治験の実施を予定しているが、そのための基礎データとして十分な非臨床実験の実施計画を、医薬品医療機器総合機構(PMDA)との事前面談、対面助言等を利用しつつ策定した。また、本研究のこれまでの成果から発想した心室細動の新たな治療戦略について、特許として出願した(「アブレーションカテーテル及び心臓治療システム」、出願日:2018年11月21日、出願番号:特願2018-218050)。 これまでの研究期間全体を通しては、心室細動の病態生理を共同研究者(アラバマ大学バーミングハム校、Dr. Jack M. Rogers、米国アラバマ州)との基礎実験で明らかにし、それを元に心室細動の発症および再発を抑制する新たな治療戦略を立案し、臨床応用までに必要な各種試験(非臨床proof of concept試験、医師主導治験)の計画立案、倫理審査、各種機器の準備等を着実に進めてきた。また、基礎実験での治験は国際学会(アメリカ心臓協会総会、米国カリフォルニア州)で発表した。 現時点で非臨床proof of concept試験に向けた準備は完了しており、近日中に開始予定である。今後も研究を継続し、医師主導治験を経て、臨床応用を目指していく予定である。
|