研究課題/領域番号 |
16K09424
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齋藤 修 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40752457)
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研究分担者 |
池主 雅臣 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40303151)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高周波通電 / Bipolar ablation / 不整脈 |
研究実績の概要 |
心筋表面に2本のアブレーションカテーテルを留置して行うBipolar高周波通電法は1本のアブレーションカテーテルを用いて行うUnipolar高周波通電法に比べてより深部心筋の熱凝固変性を引き起こす治療法であるが、深部心筋の過度な温度上昇が生じて水蒸気爆発(スチームポップ現象)に至るリスクが高い。 本年度は冠動脈からの灌流を追加し、より臨床例に近似した条件で高周波通電を行う実験モデルを構築して研究を推進した。 安全かつ効果的な高周波通電条件を検討するため高出力通電(50W・60秒)と低出力・長時間通電(50W・120秒)を比較したところ、高出力通電で頻回に発生したスチームポップ現象が、低出力・長時間通電では発生頻度の抑制が観察された。熱凝固が到達した深度は高出力法と低出力法では差はみられなかった。インピーダンス低下値は同等であったが、インピーダンスの経時的変化から単位時間で微分した値はスチームポップ現象を来した通電でより大であった。このことから高周波通電に伴う急激なインピーダンス変動がスチームポップ現象発生の予測指標として応用できる可能性を支持する所見であると考えられる。一方で、インピーダンスの経時的変化を単位時間で積分した積分値は総焼灼深度と正相関を示す可能性が示唆された。すなわち、インピーダンス変動の詳細な解析は安全かつ効果的なBipolar高周波通電に有用であると考えられる。これらの研究成果は学術雑誌(新潟医学会雑誌)にて公表し、関連学会・研究会にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
冠動脈からの灌流を追加し、生理的な環境を模倣した条件で高周波通電が行える実験モデルを用いて研究を進めている。高周波通電中のインピーダンス変動に着目し、微積分法を用いた解析で安全効果的な新しい指標の構築に関わる知見を集積している。これまで得られた知見は学術雑誌にて公表し、内外の関連学会などで報告している。
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今後の研究の推進方策 |
高周波通電中のインピーダンス変動を基にした通電指標構築のための知見を引き続き集積する。 また、高周波通電に伴う心筋組織変性の進行を検出可能か、およびスチームポップ現象の前兆となる新たな指標が得られるか追加検証し、Bipolar高周波通電法を臨床導入するための安全かつ効果的な指標に関する研究を推進させる。得られた成果は学術雑誌、学会発表を通して公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)より臨床に近似した実験モデル構築のため実験計画を修正し、アブレーションカテーテルの購入サイクルに変更が生じたため (使用計画)次年度の実験用物品(アブレーションカテーテル)の購入費に充当する。
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