研究分担者 |
森本 竜太 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (00755499)
安田 宜成 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (60432259)
坂東 泰子 (暮石泰子) 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60452190)
室原 豊明 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (90299503)
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研究成果の概要 |
研究代表者らは,拡張型心筋症42例におけるFGF-23血中濃度とバイオマーカー,血行動態および予後との関連を検討した。末梢血FGF-23濃度は,推定糸球体濾過量と逆相関し,高感度トロポニンT濃度と相関した。生存解析では,末梢血FGF-23高値群は,低値群と比べて,心イベントが高率であった。多変量解析では,FGF-23高値群は心イベントの独立した予測因子であった。重回帰分析では,推定糸球体濾過率と脳性ナトリウム利尿ペプチドが,FGF-23の重要な規定因子だった。心筋線維化率は,末梢血FGF-23濃度とは有意な相関を認めなかったが,経心臓FGF-23濃度差との間に弱い相関関係を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究代表者らは,拡張型心筋症患者における末梢血FGF-23血中濃度が推定糸球体濾過量と逆相関し,高感度トロポニンT濃度と相関することを示した。また,FGF-23高値は,不良な予後と関連し,心筋における線維化が心臓前後の血液FGF-23濃度差と相関することを明らかにした。これらの結果は,FGF-23が拡張型心筋症の心筋リモデリングおよび予後に対する新たな治療ターゲットとなりうる可能性を示しており,次世代の診断や治療法の開発,心筋症の発症・進展予防への臨床応用に展開するための基盤となりうることが示唆された。
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