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2018 年度 実施状況報告書

掌握運動が左室駆出率が保持された心不全患者の血圧や運動耐容能に与える効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K09430
研究機関三重大学

研究代表者

藤本 直紀  三重大学, 医学系研究科, 講師 (80718289)

研究分担者 伊藤 正明  三重大学, 医学系研究科, 教授 (00223181)
土肥 薫  三重大学, 医学系研究科, 准教授 (50422837)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード掌握運動
研究実績の概要

本研究の目的は、高血圧患者において降圧効果があると報告された等尺性掌握運動トレーニングが、心不全患者の血行動態や心機能にどのような急性・慢性効果を与えるかを検討することである。本研究①では、左室駆出率(EF)が保持された心不全患者(HFpEF)において、コンダクタンスカテーテルを用いて左室圧-容積曲線を描出し、安静時、掌握運動時、掌握運動後上腕阻血(PECA) 時の心拍数、血圧、左室収縮・拡張機能、左室内圧を経時的に計測する。現時点では、10名のHFpEF患者の掌握運動中のデータは解析済みであり、対象としてのEFが低下している収縮不全患者(HFrEF)若干名の血行動態評価が必要である。

研究②では、掌握運動トレーニングの慢性効果を検討するために、HFpEF患者を、3 ヶ月間の1)掌握運動療法群(2 分間×4/日、5日/週)と2)コントロール群に無作為に割り付ける。3 ヶ月間の観察期間の後に全ての被験者で検査を繰り返し、掌握運動が24 時間血圧、運動耐容能、左室機能・形態、最大握力に与える効果を評価することを予定していた。掌握運動群に割り付けられた患者(10名)とコントロール群(9名)での解析では、主要評価項目である24時間血圧計による日中血圧・夜間血圧・24時間血圧とも有意な変化は示さなかった。

研究③では、EFが低下している収縮不全患者(HFrEF)患者とHFpEF患者の外来での掌握運動トレーニング効果の比較検討を予定しており、現時点でも被験者のリクルートを継続している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

カテーテルを用いた研究では、HFpEFとHFrEFを10名ずつリクルートすることを予定し、現時点では予定通り進んでいる。また、外来患者を対象とした掌握運動トレーニングの被験者のリクルートに努めている。

今後の研究の推進方策

カテーテル検査を用いた研究では、安静時には症状がない左室駆出率(EF)が保持された心不全患者(HFpEF) 患者(20名を)を対象として、心臓カテーテル検査時にコンダクタンスカテーテルを用いて左室圧-容積曲線を描出した。等尺性掌握運動時により、3分間の掌握運動中に収縮期血圧は30mmHg程度、また、左室拡張末期圧は10mmHg程度上昇するものの、心不全症状の増悪は1例も認めなかった。また、PECA中には血圧、心拍数も掌握運動終了時と同等か、わずかに低下するのみであった。また、HFpEF患者では、掌握運動中に左室弛緩が改善する可能性が示されている。

外来患者を中心とした家庭での掌握運動トレーニングでは、前後での24時間血圧、心機能、筋力などを計測している。外来でのHFrEF患者の参加が予定よりは遅れており、リクルートに努めている。

次年度使用額が生じた理由

当初より研究の進行が遅れ、次年度の使用に持ち越したため。2019年に行う被検者のデータ収集(エコー検査、採血)、解析等に助成金は使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Impacts of Isometric Handgrip Exercise and Post-Exercise Circulatory Arrest on Hemodynamics and Left Ventricular Function in Heart Failure with Preserved Ejection Fraction2018

    • 著者名/発表者名
      Keishi Moriwaki
    • 学会等名
      American Heart Association 2018 (Chicago, IL)
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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