研究実績の概要 |
本研究の目的は3Dプリンターを用いて患者個別データを基に作成した臓器モデルを用いた心血管カテーテル治療シミュレーターの開発及び有効性の評価である。 当初の計画では合計30例の無作為化臨床試験にて患者個別臓器モデルを用いた術前シミュレーションの有効性の評価を複数の心血管疾患にて施行する予定であったが臓器モデル作成のコストダウンが難しく単発的なシミュレーションの施行を行った。 具体的には壁在血栓を伴った重度大動脈弁狭窄症患者に対する経皮的大動脈弁置換術のシミュレーションを圧力センサーを組み込んだモデルを作成し施行した(Yaku, H., N. Saito, et al. Circ. Cardiovasc. Interv. 11:e006925, 2018.)。この結果、シミュレーションへの客観的な評価指標の組み込みが可能となった。 また厚労省のプログラムでバングラディッシュにて行われた経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC)のトレーニングに本研究で開発したシミュレーターを使用した(論文投稿中)。 これらの結果を受けてさらなる症例の積み重ねのため多施設共同レジストリーを2019年度中に開始する予定である(現在倫理委員会審査中)。多施設共同レジストリーにより1)症例の蓄積、2)客観的評価指標の確立、を行い臨床治験に進む予定である。
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