研究課題/領域番号 |
16K09436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
荻野 和秀 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (70294311)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 心不全 / 拡張不全 / 尿酸 / キサンチンオキシダーゼ / 酸化ストレス |
研究成果の概要 |
左室拡張機能障害患者に対して、キサンチンオキシダーゼ阻害薬とキサンチンオキシダーゼ阻害作用を有さない尿酸排泄促進薬を用いて、酸化ストレスマーカーと左室拡張機能に対する効果を検討した。 高尿酸血症を合併した左室収縮機能正常かつ左室拡張機能障害を認める20例を対象にベンズブロマロンとフェブキソスタットを投与し、左室拡張能と酸化ストレスマーカーを検討した。フェブキソスタットは左室拡張機能障害および酸化ストレスマーカーを改善させた。一方、ベンズブロマロンでは酸化ストレスマーカー及び左室拡張能ともに変化を認めなかった。 キサンチンオキシダーゼ阻害薬による酸化ストレス軽減により、左室拡張能が改善した。
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自由記述の分野 |
循環器内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化ストレスは心不全の病態に深く関与し、アロプリノールはキサンチンオキシダーゼ阻害による酸化ストレス軽減を介して慢性心不全に有効であると報告されている。 本研究から、左室拡張機能不全による慢性心不全に対してキサンチンオキシダーゼ阻害薬が、酸化ストレスの軽減を介して左室拡張能を改善する可能性が示唆された。 高齢者に多い左室拡張障害による心不全は近年増加しているが、未だ標準的な薬物治療が確立されず、心不全パンデミックと呼ばれる高齢化社会において、治療法の確立が重要である。キサンチンオキシダーゼ(酸化ストレス)と尿酸が新たな治療ターゲットとなる可能性を示した意義ある研究である。
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