研究実績の概要 |
左室収縮の保たれた心不全(HFpEF)における臓器連関や併存疾患による病態修飾および予後の関係、さらにHFpEFに対する呼吸補助療法の効果に関して多面的な検討を行い、論文公表を行った。具体的には、1)HFpEFにおける睡眠呼吸障害が動脈スティフネスに与える影響は左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)とHFpEFにおいて異なること(ESC Heart fail)、2)メラトニンが睡眠および左室リモデリングに関係していること (J Pineal Res)、3)睡眠障害である周期性四肢運動障害がHFpEFの予後を悪化させること(Int J Cardiol)、4) HFpEFの原因疾患鑑別や予後予測におけるバイオマーカーや心電図所見の有用性(Circulation, J Am Heart Assoc, Am J Cardiol, J Card Fail, Clin Chim Acta, Int Heart J, J Cardiovasc Electrphysio, Cardiology)、5) HFpEFの主要な原因疾患である肺高血圧症における右心負荷と肝機能障害の関係(Int J Cardiol)、6) 肺高血圧症における血行動態とバイオマーカーの関係(Int J Cardiol, Can J Cardiol, J Card Fail, ESC Heart Fail, Plos One)、7) HFpEFにおける慢性閉塞性肺疾患による病態修飾や予後の関係について他施設共同研究のデータを用いて示した(J Cardiol)。また、 HFpEFにおける心機能変化と予後の関係、さらに心機能変化に関与する因子としての睡眠呼吸障害や呼吸補助療法の効果について検証し国際学会にて公表を行い、現在論文投稿中である。さらに、HFpEFにおける睡眠障害、睡眠呼吸障害管理の重要性、呼吸補助療法の重要性に関して、英文総説(J Atheroscler Thromb)を作成するとともに、関連学会におけるシンポジウムなどでも公表した。また、書籍などによる普及も積極的に行っており、今後も検証および治療の普及に継続して取り組んでいく予定である。
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