研究課題
急性心筋梗塞の治療としては、薬物療法もあるが、主流は再灌流療法である。再潅流療法は、虚血の早期解除による心筋梗塞サイズ縮小を臨床的有効性の機序とするが、同時に再潅流により心筋組織内に活性酸素が生じ再潅流傷害が惹起され、梗塞サイズの縮小効果が減弱されるという欠点を併せ持っている。特にこの梗塞サイズとリスクエリアの解析には心臓MRIはきわめて重要である。今年度は、心臓MRIにより心機能、心臓の形態心筋救済率の測定評価を行った。心筋救済率 とは梗塞後7日目MRIによりT2強調画像で虚血領域を測定して、ガドミニウムの取り込みで梗塞領域を評価した。虚血領域の範囲で梗塞領域の範囲を測定して梗塞領域を定量的に評価できた。梗塞領域/虚血領域で心筋救済率を算出することが可能となった。心筋救済率を算出することが可能となり、我々は仮説として急性冠症候群においてアディポネクチンやIL-11のような障害をうけた血管や心筋細胞に対して保護的に作用するサバイバシグナルとなるようなエクソソームが存在することの同定と、心筋救済率との関係を研究している。急性心筋梗塞の治療としては、薬物療法もあるが、主流は再灌流療法である。再灌流療法は、血栓によって血流が途絶えたために生じる心筋の壊死を、なるべく小範囲にとどめることが目的であり、「来院から再灌流までに要する時間」が鍵となる。再潅流療法は、虚血の早期解除による心筋梗塞サイズ縮小を臨床的有効性の機序とするが、同時に再潅流により心筋組織内に活性酸素が生じ再潅流傷害が惹起され、梗塞サイズの縮小効果が減弱されるという欠点を併せ持っている。我々は仮説として急性冠症候群においてアディポネクチンやIL-11のような障害をうけた血管や心筋細胞に対して保護的に作用するサバイバシグナルとなるようなエクソソームが存在すると考えて研究している。
2: おおむね順調に進展している
大阪市立大学医学部附属病院は、大阪市内の中心部に位置して多くの心臓病患者の治療にたずさわっている。三次救急のみならず急性冠症候群に対する対応も積極的に行っている。一方、我々はこれまで心血管画像診断法、血管内エコー、OCT、心臓CT、MRI、超音波検査法により心機能、血管機能の評価について多角的に循環器疾患を検討してきている。特に、OCTと心臓MRIにより障害をうけた冠動脈や心筋組織を、詳細に検討を継続して行っている。また、心臓血管障害に、保護的に作用するサバイバシグナルとなりうるエクソソームが見つけるように解析をしている。
心臓カテーテル検査、治療を行った患者全例から急性冠症候群にて入院後より経時的に、末梢血より血中炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-α)、酸化ストレスのバイオマーカーである8-OHdG(8-hydroxy-2-deoxyguanosine),PON1(paraoxonase-1)、TAC(total antioxidant capacity)、TOS(total oxidative status)、LOOH(lipid hydro-peroxide)、イソプラスタン,ヘキサノイルリジン,コエンザイムQ10、さらにエクソソームを測定する。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件)
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