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2017 年度 実施状況報告書

持続性心房細動アブレーションの新しい治療標的部位の空間・周波数的特性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K09451
研究機関獨協医科大学

研究代表者

中原 志朗  獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70383081)

研究分担者 小松 孝昭  獨協医科大学, 医学部, 講師 (10597537) [辞退]
田口 功  獨協医科大学, 医学部, 教授 (80316570)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード心房細動 / 心内マッピング / アブレーション治療
研究実績の概要

心房細動(AF)の治療法としてカテーテル心筋焼灼術が急速に普及したが, その成功率は 発作性AFと比べ 持続性AF症例では未だ低いのが現状である。本研究は①持続性および長期持続性AF症例の不整脈基質と考えられている心外膜脂肪(EAT)と心房内低電位領域(LVZ)の心房内分布特性の解析, ②術中にリアルタイム心房波周波数解析を施行し, 持続性AFのドライバーであるという理論が提唱されている部位,具体的には周波数が早く(high dominant frequency [DF]) かつ組織化 (high regularity index [RI])された領域であるhigher organized DF sitesを術中に迅速に同定し、さらに同部位への選択的な高周波通電を施行する臨床研究を試みた。同部位へのカテーテルアブレーションの急性効果と1年後の成功率(洞調律維持率)の改善を期待する。さらに再発因子の同定を検討し、成功例と再発例の上記パラメータの特性評価とその cut off値を算出する。
①の追加解析項目として、大動脈冠尖部, 下行大動脈, 椎骨等の直接心房に接する 心臓外構造物(Contact area: CoA)はAFの維持や左房の局所電気的リモデリングに関与する基質として報告されており、CoA領域とEATおよびhigher-organized DF sitesとの空間的・電気生理学的特性の検討を行う。現在まで持続性・長期持続性AFを有した44例のカテーテルアブレーションを施行されている。CoAおよびEATの解析のための術前のCT撮像および、術中の心房マッピングデータ収集が完了している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2015年に報告された STAR AF II 試験(文献1)で、持続性心房細動症例に対する心房内線状焼灼法やelectrogramガイドの追加アブレーションの効果が前向きに検討され,期待に反して追加焼灼の効果がないことが示された。また2015年より臨床使用可能となったクライオバルーンやホットーバルーン等の新しいテクノロジーの台頭で、アブレーション手技を取り巻く環境が大きく変化した。そういった背景もあり、多点焼灼をコンセプトとした本プロトコールに参加できる症例が予定より低下したが、研究の進行は順調である。
概要で提示した①の課題に関しては、アブレーション術前にCTより同定したEATは、左房天蓋部, 前壁, 後壁に高頻度に分布していた。前壁後壁のEATはCoAと近接し、他のEAT領域よりその容量および心房電位波高は有意に低値を呈した。②の課題については、左心房の前後壁のCoAと隣接するEAT領域はhigh-DF siteを有していたことを確認し、第65回日本心臓病学会学術集会にて発表を行っている。

文献1. Verma A, Jiang C-Y, Betts TR, et al. Approaches to catheter ablation for persistent atrial fibrillation. N Engl J Med 2015;372:1812~1822)

今後の研究の推進方策

術中のデータ取集は概ね終了した。今後は急性期の通電効果および長期経過データを加えてさらに解析を進め、早急に論文作成を行い、海外学会での発表および雑誌への投稿を目指す。

次年度使用額が生じた理由

予定していた英文校閲費と論文別刷代が未使用のため。翌年時に使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 持続性心房細動アブレーション症例における心外膜脂肪と心臓外構造物の空間的・電気生理学的特性の検討2017

    • 著者名/発表者名
      中原志朗
    • 学会等名
      第65回日本心臓病学会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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