研究課題/領域番号 |
16K09465
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
岩永 善高 近畿大学, 医学部, 准教授 (80360816)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | バゾプレッシン系 / 交感神経系 / 心腎脳連関 |
研究実績の概要 |
本研究では、心不全および心腎機能障害進展におけるバゾプレッシン系と交感神経系のクロストークを心腎脳ネットワークの観点より検討し、その修飾による新規治療の可能性を探ることを目的としている。具体的には、【課題A】心不全におけるV1a受容体、V2受容体と交感神経系の相互連関作用の検討、【課題B】敗血症ショックモデルにおけるバゾプレッシン系と交感神経系の役割の検討、【課題C】バゾプレッシン系―交感神経系におけるmiRNA制御と心不全・心腎機能障害との関わり、からなる. 昨年度は、課題AとBにおけるバゾプレッシン系と交感神経系のクロストークとなる基礎的データ、つまり腎臓交感神経切除による腎臓交感神経の持続的な遮断により、心腎両組織における局所バゾプレッシン系活性化の抑制がみられること、敗血症性心筋障害モデルにおいて、バゾプレッシン系と交感神経系の活性化がともに認められることが明らかになった。平成29年度は、敗血症性心筋障害モデルに、腎臓交感神経切除を施行し、心機能障害の発現および生命予後が改善されることが明らかになった。さらにはバゾプレッシン受容体ノックアウトマウスにおける腎臓交感神経切除術の施行は、更なる心機能改善および生命予後改善をもたらすことも明らかになり、少なくとも本病態においては両システムにおいて独立した制御系が存在する可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は、敗血症性心筋障害モデルに、腎臓交感神経切除を施行し、心機能障害の発現および生命予後が改善されることが明らかになった。さらにはバゾプレッシン受容体ノックアウトマウスにおける腎臓交感神経切除術の施行は、更なる心機能改善および生命予後改善をもたらすことも明らかになった。相互の連関作用のみならず独立した制御の部分が、病態において意義ある薬絵アリを果たしていることが明らかになっている。 平成28年度に生じたマウスモデルにおける腎臓交感神経切除術の技術的な問題と、平成29年度後半に生じたノックアウトマウスのbleeding不良の問題にて全体的な進行がおくれている。現在は課題Bにおける、バゾプレッシン系と交感神経系の心臓、腎臓および脳局所での具体的な制御メカニズムの検討を開始したところである。また課題CにおけるmiRNAのマイクロアレイ解析の準備を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
現在は課題Bにおける、バゾプレッシン系と交感神経系の心臓、腎臓および脳局所での具体的な制御メカニズムの検討を開始したところである。また課題CにおけるmiRNAのマイクロアレイ解析の準備を開始した。
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