血管内治療(カテーテル治療)を必要とする重症虚血下肢患者に対して、治療前後での血流予備能を用いた虚血重症度の評価を行った。これまでの観察において、虚血重症度は血流予備能の低下と比例しており、また、血流予備能の低下している患者では、創傷治癒が遅延している傾向にある。さらに、カテーテル治療後に血流予備能は上昇する傾向にあるため、カテーテル治療による血流改善を示唆しているものと考えられた。病因によっても血流予備能に違いがありそうであり、透析患者や膠原病患者では明らかに低下していた。また、これらの患者では、治療後の血流予備能の改善も乏しい傾向にあった。 予定の3年間では、目標症例数には達しなかったが、血流予備能が虚血重症度と関連しており、その改善が創傷治癒に影響を及ぼすことが示された。引き続き本臨床研究は継続し、症例数の増加を予定している。 現在は、学会発表、論文発表に備えて、論文執筆・英文校正等を進めている。
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