• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

新規Gタンパク質共役受容体CXCR7の心不全改善効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K09492
研究機関東京大学

研究代表者

原田 睦生  東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (90431642)

研究分担者 池田 祐一  東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10744419)
熊谷 英敏  東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20281008)
東口 治弘  東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40436358)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードCXCR7
研究実績の概要

新規 G タンパク質共役受容体(GPCR)であるCXCR7 は、免疫系細胞の遊走や増殖・生存に重要な働きをしているが、心臓における役割 についてはこれまで全く報告がない。我々は RNA-seq解析の結果、マウス心臓内に発現するすべてのGPCR 遺伝子のなかでCXCR7 遺伝子発現が最も大きいことを見出した(未発表)。本研究の目的は培養細胞や組織特異的 CXCR7 遺伝子欠損マウスを用いて、その生理的・病理的役割を解明することである。
本研究ではCXCR7の心臓における生理的、病理的役割を解明するために下記項目について研究を実施する。1) 成体心臓内におけるCXCR7発現の局在と発現量の検討, 2) 培養細胞系を用いたCXCR7シグナル伝達の解明, 3) 成体マウス心臓に おけるCXCR7の生理的、病理的(特に心不全での)役割の検討。
本研究の当初の計画では、培養細胞系を用いたin vitro実験を遺伝子改変マウスを用いたin vivo実験に先駆けて施行する予定であったが、予算と時間の都合上これを逆の順番に変更して計画を進行中である。心筋細胞特異的CXCR7遺伝子欠損マウスの解析はほぼ終了しており、現在は血管内皮特異的、線維芽細胞特異的遺伝子欠損マウスに圧負荷を加えることで心不全への進展の有無を確認している状況である。
心筋細胞特異的CXCR7遺伝子欠損マウスに圧負荷心肥大を誘発すると、心重量の増大など心不全増悪を示唆する所見が認められることは確認できているが、その心不全増悪作用は顕著とは言えなかった。このため、心臓組織を構成する血管内皮細胞や線維芽細胞などの他の細胞種におけるCXCR7の役割のほうが重要である可能性を考え、随時解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度までは心臓におけるCXCR7の役割を調べるために、心臓特異的CXCR7遺伝子欠損マウスと血管内皮特異的CXCR7遺伝子欠損マウスの作 成を行った。本年度は線維芽細胞特異的遺伝子欠損マウスを作成中である。in vitro実験に用いるCXCR7アゴニストとして米国CehmoCentrix社から提供を受けたCCX771化合物は、βアレスチンを誘導するもののCXCR7の下流シグナルの活性化を誘導するには至らなかった。このため、新たなCXCR7アゴニストとしてTC14012を購入して同様の実験を進行中である。

今後の研究の推進方策

本年度は本計画の最終年度にあたる。CXCR7陽性線維芽細胞の役割を線維芽細胞特異的遺伝子欠損マウスを解析することにより解明し、心臓組織全体におけるCXCR7の役割を究明する予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由) マウスの繁殖に問題が生じ、使用額が計画に達しなかったため。
(使用計画) マウス繁殖・心不全モデルマウスの作成は今後も継続する。そのために、前年度使用しきれなかった飼育費、また抗体費などを計上する予定である。

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi