研究課題
心房細動のバイオマーカーとしての細胞外核酸に着目して臨床的検討を行った。血中マイクロRNA(miR)について、昨年度の成果として心房細動に関連する4種の新規miRを発見し、マイクロRNA診断パネルの作成を発表したが、今年度はこれらのmiRが汎用性の高いバイオマーカーとして有用かの評価を行った。4種の血中miRについて、日内変動や食事による変動を評価し、少なくとも2種のmiRについては日内変動幅が心房細動と健常者の差よりも小さく、臨床的評価としてより有用なバイオマーカーと考えられた。さらに、血中cell free DNA(cfDNA)に着目して解析を行った。マウス心房筋細胞の細胞株であるHL-1細胞に対して高頻度電気刺激すると、培地中cfDNAが放出され、得られたcfDNAをマクロファージに加えるとIL-1βおよびIL-6の発現が誘導された。cfDNAを核由来・ミトコンドリア由来に分けて評価すると、炎症性サイトカインの発現誘導はミトコンドリア由来cfDNAのみで生じており、マクロファージ内のTLR9が非メチル化cfDNAであるミトコンドリア由来cfDNAを認識していることが明らかとなった。臨床検体においも、心房細動患者の末梢血では総cfDNAおよびミトコンドリア由来cfDNAが有意に上昇していた。心房細動患者の中でも、発作性心房細動よりも持続性心房細動患者でcfDNAレベルは高く、cfDNAは心房細動発症予測および重症化予測に有用と考えられた。
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International Heart Journal
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https://tmd-cvm.jp/research-activities-2.html