心筋細胞の増殖能が失われる出生後早期に発現が変化する遺伝子群のうち、細胞増殖制御に関わる候補遺伝子を同定し、その分子機能の検討を行った。心臓での経時的発現変化を示す遺伝子群の一部は非心筋細胞由来であった。心筋細胞に発現し出生後経時的に発現低下を認める遺伝子のうちCRP1は、成体心筋細胞で発現するファミリー分子MLPと、in vitroでの増殖性、遺伝子発現調節に対して異なる作用を持つことが示され、胎生期心筋細胞特異的な細胞機能への関与が示唆された。また、MLPの心筋症を来すヒト遺伝子変異は、細胞内局在や遺伝子発現制御に異常を来すことを見出した。
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