研究課題/領域番号 |
16K09505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
矢野 俊之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40444913)
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研究分担者 |
丹野 雅也 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00398322)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 心不全 / 分子心臓病学 / ネクロプトーシス / オートファジー / mTOR |
研究成果の概要 |
慢性心不全症例の心筋生検組織を用いて、心不全症例では細胞増殖及び成長のmaster regulatorとして知られている哺乳類ラパマイシン標的蛋白質(mTOR)が恒常的に活性化していることを解明した。さらに、心筋細胞を用いた検討では、ネクロプトーシスシグナル活性化が心不全に対して保護的に働いているオートファジーを抑制すること、mTOR活性阻害薬はネクロプトーシスシグナルを抑制しオートファジーを回復させることが明らかとなった。mTOR活性阻害薬のこれらの効果は、RIP1の抑制的リン酸化を介していた。以上の結果から、mTORの恒常的活性化は心不全治療の新たな標的であると思われた。
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自由記述の分野 |
循環器内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
mTORC1が恒常的に活性化する遺伝子疾患である結節性硬化症の腎腫瘍に対してmTORC1阻害薬は保険適応を取得している。申請者らは、非虚血性拡張型心筋症例において心筋mTORC1活性が顕著に亢進し、病理学的変化や予後と密接に関係していることを明らかにしており、mTORC1活性調節は心不全治療の新たな標的であると考えた。 オートファジー機能不全が心機能低下へ導く分子機構は不明なままである。本研究により解明されたオートファジーとネクローシスの直接的分子機構連関は新たな心不全治療法開発への足がかりになる。
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