研究課題/領域番号 |
16K09506
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
及川 雅啓 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30457775)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 神経リモデリング / 心筋梗塞 / 交感神経 / 星状神経節 / 脊髄中間外側核 |
研究実績の概要 |
ラット心筋梗塞モデルに対してNeuretベクターの接種を心筋組織に行っているが、ベクターによる星状神経節への安定したGFP発現は得られていない。心嚢腔への投与など、方法を変更しながら継続している。星状神経節へNeuretベクターを接種した場合は、脊髄中間外側核へのGFP発現は確認されており、ベクターの機能そのものに問題はないと考えている。 心不全状態における交感神経系の変化を見るためにラット心筋梗塞モデルを作成し、心筋梗塞2週間後の星状神経節および脊髄中間外側核の神経リモデリング現象を観察した所、これまでの既報通り、星状神経節が肥大を呈していたが、脊髄中間外側核の交感神経細胞も肥大を呈していることを確認した。心筋梗塞1週間後の時点で脊髄中間外側核では神経栄養因子でありBDNFとその受容体であるTrkBの発現が亢進していることを免疫組織染色、ウエスタンブロッティング法、リアルタイムPCR法にて確認した。他の神経栄養因子であるNGFとその受容体であるTrkAについては、脊髄におけるmRNAの有意な変化を認めなかった事から、脊髄における神経リモデリング現象はBDNF特異的な現象と推測された。また、TrkBシグナルの下流であるERKのリン酸化が脊髄中間外側核神経細胞で亢進していることが確認できている。ERKは心筋細胞などの肥大を亢進させるタンパクであり、神経細胞肥大にも関与していると考えられる。本事象はこれまで報告がないことから、現在論文投稿を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心不全と交感神経活性の関連については、脳心連関の一部である星状神経節と脊髄中間外側核の神経リモデリング現象を発見することができたため進展しているが、Neuretベクターの発現がまだ不安定であり、分子機序の十分な解析が進んでいないため
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今後の研究の推進方策 |
Neuretベクターの心筋への接種方法、投与経路を変更することにより安定したベクター発現を目指す。 心筋梗塞による心不全での神経リモデリングを確認できたため、計画書に記載している大動脈縮窄モデルによる圧負荷心不全モデル、アンジオテンシンIIによる心不全モデルでも同様の変化が得られるか確認し、PDE3阻害薬の投与によりそのリモデリング現象がどのように変化するか確認することで、神経リモデリング現象とPDE3の関連を検討する。
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