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2017 年度 実施状況報告書

ナノ粒子を用いた血管炎症病変の非侵襲的診断および治療法の探求

研究課題

研究課題/領域番号 16K09511
研究機関筑波大学

研究代表者

小菅 寿徳  筑波大学, 医学医療系, 研究員 (00376774)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード金ナノ粒子 / マクロファージ / 血管炎症
研究実績の概要

造影効果が高い金ナノ粒子(15nm)を用いて、in vitroおよびin vivoにおけるマクロファージ細胞への取り込みに関する実験を進めた。マクロファージ細胞と金ナノ粒子を共培養後に細胞を回収し、マイクロCT装置を用いて撮影を行った。金ナノ粒子と共培養した細胞は、共培養していない細胞と比較し有意に高いCT値を示し、細胞内に金ナノ粒子が取り込まれることを確認した。また、金ナノ粒子との共培養による細胞毒性についてMTTアッセイ法を用いて検討したところ、細胞毒性は見られなかった。In vivo評価としてマウス頸動脈結紮モデルに対して、低濃度と高濃度の2種類の金ナノ粒子の経静脈的投与を行い、血管への集積について検討した。静注後経時的にマイクロCT撮影を行い、高濃度の金ナノ粒子投与群において動脈硬化血管の有意なCT値上昇を認め、動脈硬化部位への金ナノ粒子の集積が示唆された。マウス腹部動脈瘤モデルを用いたマクロファージ細胞への取り込みに関する実験を行うため、現在アポEノックアウトマウスを準備中である。
金ナノ粒子を担持した複合ナノ粒子を合成し、マクロファージ細胞への取り込みについてマイクロCT装置を用いて評価したところ、同濃度の金ナノ粒子単体と同程度のCT値を示すことが確認された。またMTTアッセイ法を用いて、金ナノ粒子を担持した複合ナノ粒子による細胞毒性が見られないことを確認した。In vivo投与に必要な金ナノ粒子を担持するため、複合ナノ粒子の合成条件を現在検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成29年度は金ナノ粒子単体での実験はおおむね順調に進行したが、複合ナノ粒子の合成条件の検討、ノックアウトマウスの準備に時間を要した。

今後の研究の推進方策

複合ナノ粒子の合成条件を検討し、マクロファージ細胞への取り込み、および細胞死を誘導するレーザー設定の検討を進めていく予定である。また、マクロファージ細胞内に取り込まれたマイクロRNAの機能発現を確認するために、培養上清中のサイトカイン量の変化をELISAを用いて評価している。機能発現を確認した後、マイクロRNAを複合粒子に担持して、in vitroおよびin vivo実験を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

ノックアウトマウスの準備、複合ナノ粒子の合成条件の検討に時間を要した。
複合ナノ粒子の合成条件を検討し、マクロファージ細胞への取り込み、細胞死を誘導するレーザー設定、およびマクロファージ細胞に取り込まれたマイクロRNAの効果について検討を進めていく予定である。昨年度からの繰越し費用をこれに充てる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Facile one-pot fabrication of calcium phosphate-based composite nanoparticles as delivery and MRI contrast agents for macrophages2018

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Maki、Oyane Ayako、Kuroiwa Kiyoko、Shimizu Yoshiki、Pyatenko Alexander、Misawa Masaki、Numano Tomokazu、Kosuge Hisanori
    • 雑誌名

      Colloids and Surfaces B: Biointerfaces

      巻: 162 ページ: 135~145

    • DOI

      10.1016/j.colsurfb.2017.11.034

    • 査読あり
  • [学会発表] マクロファージイメージングのためのリン酸カルシウム複合ナノ粒子のone-pot合成2018

    • 著者名/発表者名
      中村 真紀、大矢根 綾子、黒岩 輝代子、清水禎樹、三澤 雅樹、沼野 智一、小菅 寿徳
    • 学会等名
      つくば医工連携フォーラム2018
  • [学会発表] ポリエチレングリコールで被覆された金ナノ粒子を担持したリン酸カルシウム系ナノ粒子の作製2018

    • 著者名/発表者名
      中村 真紀・黒岩 輝代子・大矢根 綾子、小菅 寿徳
    • 学会等名
      公益社団法人日本セラミックス協会 2018年年会
  • [学会発表] Gold nanoparticles for imaging vascular inflammation2018

    • 著者名/発表者名
      Hisanori Kosuge, Maki Nakamura, Ayako Oyane, Kazuko Tajiri, Nobuyuki Murakoshi, Satoshi Sakai, Akira Sato, Kazutaka Aonuma
    • 学会等名
      The 82nd Annual Scientific Meeting of the Japanese Circulation Society
  • [学会発表] マクロファージ検出のための磁性酸化鉄ナノ粒子含有リン酸カルシウム系粒子の作製2017

    • 著者名/発表者名
      中村 真紀、大矢根 綾子、黒岩 輝代子、三澤 雅樹、沼野 智一、小菅 寿徳
    • 学会等名
      第39回日本バイオマテリアル学会大会
  • [学会発表] FACILE ONE-POT FABRICATION OF MAGNETIC IRON OXIDE-CALCIUM PHOSPHATE COMPOSITE NANOPARTICLES AS DELIVERY AND IMAGING AGENTS FOR MACROPHAGES2017

    • 著者名/発表者名
      Maki Nakamura, Ayako Oyane, Kiyoko Kuroiwa, Masaki Misawa, Tomokazu Numano, Hisanori Kosuge
    • 学会等名
      17th Asian BioCeramics Symposium
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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