研究課題
平成30年度までは、金ナノ粒子(15nm)とマクロファージ細胞を共培養することにより、細胞毒性なく細胞内へ金ナノ粒子が取り込まれることを確認した。また、マウス頸動脈結紮モデルに対して金ナノ粒子(20mg)を経静脈的に投与すると、経時的に動脈硬化血管へ金ナノ粒子が集積することを確認した。本年度は、さらにin vivo実験を進めた。頸動脈結紮モデルマウスに対して低濃度の金ナノ粒子(10㎎)の投与を行い、経時的にin vivo CT撮影を行った。高濃度の金ナノ粒子と比較しCT値は低いものの、低濃度においても動脈硬化血管への集積を確認した。また、腹部大動脈瘤モデルマウスを用いて、金ナノ粒子投与後in vivo及びex vivo CT撮影をおこなった。経時的に動脈瘤血管の外膜側に金ナノ粒子の集積を認め、金ナノ粒子による血管炎症部位検出の有用性が示唆された。金ナノ粒子を取り込んだマクロファージ細胞に対して近赤外線レーザー照射(波長:830nm)を行い細胞死誘導について検討した。437mW出力において、低濃度の金ナノ粒子と培養した細胞では20分、高濃度の金ナノ粒子と共培養した細胞では10分の照射により細胞死が誘導された。196mW出力においては、低濃度の金ナノ粒子と培養した細胞を20分、高濃度の金ナノ粒子と培養した細胞を20分まで照射を行ったが、いずれも細胞死誘導は見られなかった。マイクロRNAの炎症抑制効果を確認するため、マイクロRNAを取り込ませた細胞と取り込ませていない細胞をLPSで刺激し、TNF-α発現についてELISAにて検討している。
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