研究課題
動脈硬化を基盤に発症する心血管イベントは、現状のリスクコントロールでは十分に予防できない。動脈硬化の形成・進展における慢性炎症の重要性が注目され、治療標的としても注目されている。本研究の目的は、制御性 T 細胞(Treg)を利用した動脈硬化予防のため の免疫寛容誘導法を確立し、臨床応用するための基盤を確立することである。研究期間全体としては、皮膚に紫外線B波を照射すると、皮膚に免疫寛容性樹状細胞を誘導することでTregを全身で増加させ、結果として皮膚から免疫寛容を誘導し、炎症を制御することでマウスの動脈硬化や動脈瘤が抑制できることを証明した(Sasaki N, et al. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2017; 37: 66-74. Hayashi T, et al. J Am Heart Assoc. 2017; 6: e007024.)。皮膚を通じて、全身性疾患の動脈硬化が改善するという、全く新規の炎症制御療法としての開発を進めたいし、これは他の免疫疾患の治療法としても有用な可能性を示すものである。最終年度は、腸内細菌を介しての腸管からの炎症制御によって動脈硬化が予防できる可能性を示しており(Yoshida N, et al. Circulation. 2018; 138: 2486-98.)、さらに発展させることで動脈硬化の新規予防法の開発につなげていきたい。
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Circulation
巻: 138 ページ: 2486-2498
10.1161/CIRCULATIONAHA.118.033714.
化学療法の領域
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