研究課題/領域番号 |
16K09521
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
河西 文武 富山県立大学, 工学部, 講師 (50585560)
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研究分担者 |
高橋 将文 自治医科大学, 医学部, 教授 (40296108)
唐澤 直義 自治医科大学, 医学部, 助教 (60631893)
木村 博昭 自治医科大学, 医学部, 講師 (70593622)
渡邊 幸子 自治医科大学, 医学部, 助教 (80770619)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 自然免疫 / 炎症 / 血栓症 |
研究実績の概要 |
近年、脂質異常や肥満、糖尿病、高血圧などの生活習慣病で無菌性の炎症反応の重要性が注目されている。申請者は、これまで動脈硬化や腹部大動脈瘤といった心血管病における無菌性炎症を惹起するNLRP3インフラマームと呼ばれる細胞内の分子複合体の役割について一貫して研究を進めてきた。その過程で、NLRP3インフラマームを構成する分子の一つであるASCがNLRP3インフラマームとは独立した働きを持ち、動脈硬化モデルや静脈血栓モデルではASC欠損マウスでのみ病態が増悪することを見いだした。本研究では、これらの病態におけるインフラマームとは独立したASCの役割の解明を目的に研究を行い、ASC制御による新規の治療戦略の構築を目指し、 本年度においては疾患動物モデルにおけるASCの関与の解明を目指し、動脈硬化、動脈血栓、静脈血栓、脂肪肝の各病態モデルを作製し、ASCの関与を明らかとすることを目的に研究を行った。その結果、各病態モデルの中で特に深部静脈血栓症モデルでASC欠損で病態が増悪する結果が再現よく得られた。詳細な検討を行った結果、これらの原因となる細胞が血小板にあることが突き止められた。血小板においてはNLRP3インフラマソームの各構成分子はASCしか発現していないことも判明したため、ASCにはインフラマソームとは独立した別の結合パートナーが存在すると現在考えており、今後免疫沈降法を会した新規のパートナー分子の探索を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
29年度より富山県立大学に新設された医薬品工学科に着任し、新たに研究室を立ち上げることとなった。実験室の構築などこれまでと同様の実験環境を作るために、研究実施時間が思うように取れなかった。その中で深部静脈血栓症モデルでは血小板のASC欠損が病態を増悪させる原因であることを示唆する結果が得られたが、まだメカニズムの完全解明には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様の実験環境が構築されつつある。本来の計画より1年延長することで、当初計画していた範囲までの研究および成果が期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
29年度より富山県立大学に新設された医薬品工学科に着任し、新たに研究室を立ち上げることとなった。実験室の構築などこれまでと同様の実験環境を作るために時間を要しため、本研究計画を1年延長している。次年度使用額のうち1,021,312円を消耗品費として使用し、200,000円を学会参加のための旅費として使用する計画である。
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