研究課題
制御性T細胞(Treg)は自己免疫寛容に重要な役割を果たすだけでなく、種々の炎症疾患においてもその制御に深く関わっている。そこで、自己免疫疾患や臓器移植等に対する新たな治療法としてTregの輸注療法が試みられている。Tregが免疫抑制活性を発揮するには 特異抗原により活性化されることが必要であるが、そもそもTreg全体の頻度が低い上に個々の抗原に対して特異的なTregの頻度はさらに低く、こうした輸注治療の実行性を損なっている。本研究では、消化管や気管の上皮細胞に発現している癌胎児性抗原(CEA)に特異的なキメラ抗原受容体(Chimeric Angiten Receptor; CAR)をTregに導入して抗原特異性を付与し、Tregの特性であるBystander抑制作用を 利用して難治性喘息患者に対する新規細胞輸注療法開発のための基盤的研究を行う。本年度は制御性T細胞クローンを樹立し、CEA特異的CAR遺伝子導入制御性T細胞クローンを作製した。制御性T細胞クローンは、マウス脾臓細胞のCD4+CD25+T細胞を同系骨髄由来樹状細胞を用いて刺激して樹立した。このクローンにレトロウイルスベクターを用いてCEA特異的CARを導入した。
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Blood
巻: 132 ページ: 1134-1145
10.1182/blood-2017-08-802926