研究課題/領域番号 |
16K09542
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
平野 綱彦 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (00382333)
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研究分担者 |
松永 和人 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20347602)
椎木 健裕 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30610456)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 身体活動性障害 / 窒素化ストレス / COPD / 末梢気道 |
研究実績の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、末梢気道障害による気流制限をきたし、労作時呼吸困難を感じる結果、身体活動性が低下するため予後が悪化すると考えられているものの、この病態生理学的な機序は十分説明されていない。一方炎症細胞や煙草により気道中で過産生されている窒素化ストレスは、ステロイド抵抗性の気道炎症を増強すると示唆されており、更に我々は、末梢気道由来の窒素化ストレスがCOPD の末梢気道障害のバイオマーカーとなることを示した。そこで本研究はCOPDの身体活動性障害のメカニズムに窒素化ストレスのカスケードが関連するのかを明らかにし、薬剤介入にてCOPD の身体活動性障害における末梢気道由来の窒素化ストレスのシグナル伝達レベルでの役割及び制御機構を明らかにすることを目的としている。28年度は、本研究を当院IRB申請及びUMIN登録し、29年度から症例集積を開始し、現在COPD、非COPD呼吸器患者、健常者の症例を65例までエントリーしている。活動量計(Active style Pro,オムロン社)を用いて各症例の活動量を、分析器NA-623N(紀本電子工業、チェスト社)を使用して、中枢及び末梢気道由来呼気NO濃度を各々測定し、COPDの身体活動性障害と末梢気道由来の窒素化ストレスの関連を解析中である。さらに呼気凝縮液、血清も同時に採取し、網羅的な炎症性メディエーターの検索を通じて、窒素化ストレスとクロストークする炎症関連標的分子の存在の有無を明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の実績で述べたとおり28年度はIRB申請及び測定システム構築のために時間を要し、平成29年度から症例集積を開始したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、横断的及び縦断的に症例を集積し、身体活動性障害における窒素化ストレスの役割を評価し、来年度は薬剤介入による縦断的な検討を行うことで、その制御機構を明らかにする予定である。薬剤による身体活動性障害の改善が乏しい場合は、薬剤の強化や変更を考慮する予定である。
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