研究課題/領域番号 |
16K09546
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
谷野 功典 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (10443863)
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研究分担者 |
棟方 充 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00209991)
王 新涛 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00448630)
海老名 雅仁 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (10280885)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 特発性間質性肺炎 / 急性増悪 / 細胞外マトリックス / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
血清ヒアルロン酸濃度が、特発性間質性肺炎(IIP)の急性増悪期において安定期より高値であり、プロカルシトニン、SIRSスコア、APACHEⅡスコアと正の相関、フィブリノーゲン、P/F比と負の相関を示すことを証明した。また、急性増悪期と安定期の血清ヒアルロン酸比が高い群ではIIP全体では予後不良な傾向、特発性肺線維症(IPF)では予後が不良であり、これらの結果からIPFでは血清ヒアルロン酸濃度は、安定期との比較することで急性増悪時の予後予測マーカーとして有用である可能性を見出した。 血清syndecan-4濃度については、IIP患者において安定期では健常者よりも高値であるが、急性増悪期においては安定期より低下し、急性増悪期の血清syndecan-4濃度は、白血球数と正の相関、KL-6と正の相関傾向が認められた。また、急性増悪後の予後は、急性増悪期の血清syndecan-4濃度との関連はみられなかったが、安定期の血清syndecan-4濃度の高い群で予後が不良であり、多変量解析では安定期の血清syndecan-4濃度が唯一の予後予測因子であった。以上のことから、安定期血清syndecan-4濃度の解析によって、急性増悪後の予後を予測できる可能性がある。この結果に関しては、安定期血清syndecan-4濃度解析時期から急性増悪発症までの期間などを前向き研究で検討する必要があると考えられる。 IIP急性増悪における血中細胞外マトリックス分解産物濃度の解析については、現在Nordic Bioscienceで進行中であり、結果が待たれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特発性間質性肺炎急性増悪に関する当科での後方視的検討は進行中であり、Nordic Bioscienceでも既に結果を解析中の状況であり、おおむね順調に進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
特発性間質性肺炎急性増悪に関する当科での後方視的検討を更に別の項目ですすめるとともに、前向き検討の準備を進め、開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費が予測より少なかった。また、旅費の使用がなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
測定に使用する物品を次年度に一緒に購入する。また、旅費は次年度に使用する。
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