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2016 年度 実施状況報告書

COPDの発症リスクと予後予測の新規バイオマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K09547
研究機関横浜市立大学

研究代表者

金子 猛  横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90275066)

研究分担者 新海 正晴  横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10535214)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードCOPD / HO-1
研究実績の概要

高感度血清HO-1 ELISA法にて、健診受検91名(40歳、50歳)の血清HO-1値を測定した。40歳と50歳での血清HO-1には統計学的有意差は認めず、加齢による血清HO-1の減弱は認めなかった(34.5±12.3 ng/mL vs. 31.8±14.8 ng/mL, p=0.62)。一方で、検討対象のうち、既喫煙者は除外し、現喫煙者11名、非喫煙者16名の血清HO-1値を検討したところ、前者は25.3±13.0 ng/mL、後者は388.8±13.4 ng/mLで,現喫煙者で血清HO-1は有意に低値だった(p=0.005)。これは、既報(Am J Respir Cell Mol Biol 2008;39:673)における、非喫煙者に比較して、現喫煙者の肺胞マクロファージ内HO-1 mRNAの発現が減弱する報告に矛盾しない結果であった。なお、喫煙血清HO-1とその他の臨床パラメーターとの相関を、非喫煙者のみで検討したところ、総コレステロール値、中性脂肪値、AST、ALT、尿酸値と有意な相関を認めた(r=0.38(p=0.01)、0.31(p=0.003)、0.46(p=0.001)、0.37(p=0.011)、0.44(p=0.003)、0.30(p=0.041))。また、脂肪肝を認める症例は認めない症例に比較して、有意差は認めないが、血清HO-1は高値を示す傾向にあった(38.8±13.9 ng/mL vs. 46.5±17.8 ng/mL, p=0.25)。これは酸化ストレスを惹起する中性脂肪の蓄積による脂肪肝の進行に伴い、肝細胞内のHO-1mRNAの発現が増強する既報に矛盾しなものと考えられた(Eur J Intern Med 2012;23:649)。
今回の結果からは、血清HO-1値に影響を及ぼす因子として、喫煙歴や肝機能異常が考えられたが、今後は、上記結果の再現性を、症例数を増やして確認するとともに、より高齢者を対象に検証していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

以下の理由が考えられる。
・健常成人で、かつ、肺機能検査を実施しいる症例の蓄積がうまく進んでいない。
・評価対象が、40歳から50歳が主であり、COPD罹患年齢である60歳、70歳台の症例が予想に反して少ない。

今後の研究の推進方策

肺機能実施高齢健常人の血液サンプリングを積極的に推進する(共同研究施設を増やす→現在船員保険病院を共同研究施設として倫理委員会修正申請中)。また、それと並行して、COPD蓄積症例の解析も同時に進めていく。

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公開日: 2018-01-16  

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