研究課題/領域番号 |
16K09547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
金子 猛 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90275066)
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研究分担者 |
新海 正晴 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (10535214)
原 悠 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70806299)
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研究協力者 |
臼井 健悟
高木 重人
松本 裕
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ヘムオキシゲナーゼ-1 / Nrf2 / 一塩基多型 / rs6721961 / 喫煙 / 酸化ストレス / 炎症 / COPD増悪 |
研究成果の概要 |
ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)は、炎症、酸化ストレスなどによって発現が誘導されるタンパク質である。血清HO-1は非喫煙者より喫煙健常者で低い傾向にあり、COPD患者では喫煙健常者より有意に低値であることが明らかになった。また、HO-1発現を誘導する転写因子であるNrf2 遺伝子のSNP (rs6721961)が存在すると、健常人において血清HO-1が低い傾向にあった。さらに、COPD患者では、Nrf2のSNPが高頻度で認められた。以上から、Nrf2のSNPの存在に喫煙習慣が加わることでHO-1発現の低下をきたし、肺の炎症に対する防御機構が破綻してCOPDの発症や進行に可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
慢性閉塞性肺疾患
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて、COPDの発症リスクやその予後予測のためのバイオマーカーとして血清ヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)が有用である可能性が示唆された。今後のCOPD症例での更なる検討によって、血清HO-1は治療効果の判定や増悪の予測、重症度分類などに応用できる可能性がある。また、Nrf2遺伝子の一塩基多型(rs6721961)の検出も、喫煙によるCOPD発症のリスク診断において有用であり、特に、喫煙歴が浅く血清HO-1の低下を認めない喫煙者に対する禁煙指導の際には、禁煙の重要性について説得力のある情報になると考えられた。
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