研究課題/領域番号 |
16K09549
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
木村 弘 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (20195374)
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研究分担者 |
友田 恒一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90364059)
吉川 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 病院教授 (80271203)
山本 佳史 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00458035)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | COPD / Gut-lung axis / Autophagy / Mit DNA / Adiponectin |
研究実績の概要 |
感染やストレスを受けるとミトコンドリアから放出されるmtDNAはミトコンドリア障害の指標とされ、mtDNA によって引き起こされる炎症反応はautophagyと密接に関連していることが知られている。われわれはCOPDおよび併存症の発症・進展にGut-lung axisが関与していることを明らかにしてきた。 本研究ではautophagyとGut-lung axisが関連しているとの仮説を立て、COPD患者におけるAutophagyの役割を検討する目的で、Autophagyを誘導するとされるミトコンドリDNA(mitDNA)の血中レベルを測定した。mitDNAレベルは健常者と比較してCOPD患者で高い傾向を認めたが、GOLD stage Ⅳ>Ⅰ>Ⅱ>Ⅲの順で高い傾向を認め、重症度とは関連性は認められなかった。患者群のmitDNAレベルはBMIと有意な正の相関を認め、胸部CTにおける気腫病変の程度とも有意な負の相関を認めた。またmitDNA測定時以前の1秒量の経年変化率と有意の正の相関が認められたが、追跡調査によって判明した死亡例と生存例との間にmitDNAレベルの有意差は認められなかった。 mitDNAはCOPDの病態と関連していることが示唆されたものの、autophagy の変化がCOPD発症にいかに関与しているかを明らかにするにはmtDNAの役割のさらなる検証とともにautophagyに関する多方面からの解析が必要であると考えられた。これらの検討を重ねた上で再度Gut-lung axisとautophagyとの関連性について検証する必要がある。
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