研究実績の概要 |
induced pluripotent stem cells (iPSC)から作成された血管内皮細胞cell line (induced-endothelial cells, iEC)を用いてマトリゲル内で内皮のネットワークを作成しその後GFPでラベルされた肺性幹細胞(GFP-HPMSC)を添加しco-cultureを行った。 Co-cultureをMALDI-IMSで用いるindium tin oxide slide glass(ITO グラス)上で行い以下の実験を施行した。 1) MALDi-IMS解析によりiECネットワーク単独で得られたm/zはLC-MSを併用することで複数の脂質が同定された。Co-cultureは、ネットワークに用いるiECの細胞数とGFP-HPMSCの比率を10:1で行い48hr後にGFP-HPMSCがほぼ単一細胞としてネットワークの分岐起始部や隣り合う分岐起始部を結ぶネット上に生着している様子が蛍光顕微鏡でとらえられた。同部位をMALDI-IMS解析した。単一細胞のGFP-HPMSCはimagingではiECと判別ができずPCA解析やHCA解析でもiECと異なるグループにはならなかった。またiECとGFP-HPMSCが接している部位の微小環境部位とその周囲との間にはimagingで大きな差をとらえられなかった。 2) GFP-HPMSCの細胞数を少数~多数の3濃度にふりわけ、マトリゲル内のiECネットワークの局所に接種し24hr後にMALDI-IMS解析を行った。高濃度のGFP-HPMSCは24hrの早期にiECネットワーク内へ広がりiECネットワーク単独で同定された脂質とは明らかに異なるm/zが得られた。上記1),2)を行いMALDI-IMSでin vitroにおけるiECとHPMSCのco-cultureで微小環境の代謝の変化を観察できる可能性が示された。
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