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2017 年度 実施状況報告書

尿中PGE-MUMの肺癌バイオマーカーとしての有用性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K09558
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

内海 裕文  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00773855)

研究分担者 原 弘道  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70398791)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードPGE-MUM / 肺癌
研究実績の概要

当院にて治療(各種化学療法、分子標的薬、免疫療法、手術いずれも含む)を行った肺癌(腺癌)29例のPGE-MUM測定を行い、臨床像を検討した。可能な症例では治療前後の値を比較検討した。まず、臨床背景については、平均年齢(歳)66.歳、性(男/女)10/19、ステージ(ⅠA/ⅠB/ⅡA/ⅡB/ⅢA/ⅢB/Ⅳ/再発)13/0/1/0/2/3/8/2、喫煙歴(有/無)14 /15であった。PGE-MUM(μg/g・Cr)は平均24.2±26.6(Ⅰ期17.8±16、II期10.5、Ⅲ期27.0±30、Ⅳ期35.4±29.2、再発20.5±6.0)とIII期、Ⅳ期の進行例ではPGE-MUMは高値であった。一方、従来の腫瘍マーカーであるCEA(ng/ml)は、平均12.6±30(Ⅰ期3.7±2.3、II期2.9、Ⅲ期36±140、Ⅳ期13.5±21.6、再発14.1±20.7)であった。PGE-MUMの値と治療との相関(化学療法)については、必ずしも治療効果と相関していなかった。手術症例は、早期例が多く、PGE-MUMが平均17.0±15と低値であった。術後の再発は2例であったが、再発と術後2か月のPGE-MUMの値は関連がみられなかった。
また、他臓器腫瘍の肺転移についてもPGE-MUMを測定したところ、骨肉腫などでは著明な高値を示した。また、腺癌以外の肺癌でCOPD合併例ではPGE-MUMは高値であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PGE-MUMの臨床検体は順調に集積している。進行例ほど高値であり、バイオマーカーとして有効である可能性がある。しかし、化学療法、放射線療法の治療効果予測や、術後再発の予測における有用性は明らかでなく、今後さらに症例を集積し、検討を行う予定である。

今後の研究の推進方策

PGE-MUMは肺腺癌の診断、病期の予測、治療効果、再発予測などに有用である可能性があるが、現時点の検討では、治療効果や再発予測における有用性は明らかでなかった。
PGE-MUMは治療内容(放射線、化学療法)だけでなく、性、喫煙、他の基礎疾患、内服薬などによって影響をうけるため、症例をより多く集積し、背景ごとに解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究の進行がやや遅れており、次年度により多くの費用が必要になると考えられます。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Increased levels of prostaglandin E-major urinary metabolite (PGE-MUM) in chronic fibrosing interstitial pneumonia.2017

    • 著者名/発表者名
      Horikiri T, Hara H, Saito N, Araya J, Takasaka N, Utsumi H, Yanagisawa H, Hashimoto M, Yoshii Y, Wakui H, Minagawa S, Ishikawa T, Shimizu K, Numata T, Arihiro S, Kaneko Y, Nakayama K, Matsuura T, Matsuura M, Fujiwara M, Okayasu I, Ito S, Kuwano K.
    • 雑誌名

      Respir Med.

      巻: Jan;122 ページ: 43-50

    • DOI

      10.1016/j.rmed.2016.11.017

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2018-12-17  

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