研究課題/領域番号 |
16K09562
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
久保田 馨 日本医科大学, 医学部, 教授 (70501857)
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研究分担者 |
小林 国彦 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30205455)
松田 彩子 帝京大学, 医学部, 助教 (30618997)
井上 賢一 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 科長(兼)部長 (70443059)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | QOL / 乳がん / 肺がん / 化学療法 |
研究実績の概要 |
日本とオランダにおいて、乳がん、肺がん患者を対象に、通常治療群と通常治療+QOL モニター調査実施群とのランダム化比較試験を実施した。QOL調査票は厚生省研究班で開発されたケアノートを用いた。日常診療のなかで、QOLモニター調査を定期的に実施することによる患者管理、健康状態、満足度の効果について検証する。また、日本とオランダの国際比較を行うことによりその異同について検討する。乳がん患者のデータ収集、データクリーニングが終了し、日本とオランダのデータを併せたデータセットが完成した。現在、解析を進めている。まずは、日本とオランダの国際比較について検討し、英文誌に論文を出版した(Breast Cancer Res Treat. 166(2):459-471. 2017)。今後、QOL自己モニタリングのエビデンスを示すため、論文化に向けて日本とオランダで検討をすすめている。肺がん患者については、オランダの登録患者数39例、日本では65例であり、それぞれの目標症例数140例に到達しなかった。肺がんのマネジメントはここ数年で大きく変化し、新規治験への登録が優先されたことが登録不良の原因の一つと考える。今後これまでに登録されたデータのクリーニング、解析を進めていく予定である。患者自身が報告するアウトカムの面からQOL自己モニタリングによる患者管理、健康状態、満足度についての有効性を検証することは、今後のがん診療の医療現場において、医療者と患者間のコミュニケーション向上、患者のQOL向上に繋がると期待される。また、国際比較をすることで、文化差による日本特有の状況をより明確に把握できることが見込まれる。QOL自己モニタリングの実用化は、がん患者の長期にわたる治療期間のなかで、外来治療期間中の生活の改善にも繋がり、社会的インパクトも大きいと考える。
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