研究課題/領域番号 |
16K09565
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
槇野 茂樹 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20268204)
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研究分担者 |
武内 徹 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10330078)
小谷 卓矢 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80411362)
秦 健一郎 大阪医科大学, 医学部, 助教 (90536921)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 皮膚筋炎 / 間質性肺炎 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
皮膚筋炎(DM)は原因不明の自己免疫性炎症性筋疾患で、しばしば間質性肺炎(IP)を伴う。特に急性/亜急性進行型(A/SIP)は予後が悪く治療抵抗性であった。近年、ステロイドと免疫抑制剤による早期併用療法がDM-A/SIPに有用であることが示され、発症1年後の生存率が50-80%まで改善したが、十分であるとは言えない。これまでの研究は、予後不良であることから治療戦略や重症度評価・予後予測因子の解析が優先され、DM-IPの病因や病態形成の解明に繋がる知見は少ない。本研究では皮膚筋炎合併間質性肺炎(DM-IP)のステロイドおよび免疫抑制剤による早期併用療法においてリンパ球サブセット、血中サイトカインなどの血中バイオマーカーの変動を解析し、DM-IPの病因、病態形成の機序を解明する。 DM-A/SIPにおいて血中バイオマーカーであるケモカインCCL2、CCL7、CXCL9、CXCL10、CXCL11を治療前・後で測定し、予後との関連性を調べた。その結果、CCL7以外のケモカインは治療により有意に低下した。特にCCL2、CXCL10、CXCL11の変動についてはDM-IPの予後との関連性があることを見出し報告した(Sci Rep 2017; 7: 1635)。 さらにDM-IP患者のなかで抗ARS抗体陽性症例は治療反応性が良いものの再発例が多いことが知られているが、再発のリスク因子については十分な知見はないため検討した。その結果、間質性肺炎のマーカーであるKL-6が治療後も高値である症例で再発することが明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DM-IPにおけるリンパ球サブセット解析と治療による変化を解析中である。また、コンピュータ画像解析ソフトによる胸部CT画像のIP評価が可能かどうかを検討している。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、症例数を増やし検討する。血中バイオマーカーの一つであるリンパ球サブセットについても解析を進めるとともに、DM-IPの臨床病型、疾患特異的自己抗体、DM-IPの胸部CT画像所見との関連性についても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 旅費等の予算を計上していたが使用しなかったため (使用計画) 論文作成時の謝金として使用する
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