研究課題
申請者は、難治性肺疾患である特発性肺線維症 (IPF)において、新規の細胞外マトリックス (ECM)蛋白であるぺリオスチンが、IPFの病状悪化や予後の予測バイオマーカーであると報告した。従来の血清ぺリオスチン ELISA は、IPF特異性に乏しいのが欠点であった。そこで、従来よりも他疾患の合併に影響されない新規のELISAシステム (SS20A×SS19D)を構築した。そこで、IPF で初の「オーダーメイド治療のバイオマーカー」として確立することを目指し、多施設共同前向きコホート研究によって、抗線維化薬であるニンテダニブのコンパニオン診断薬としての解析を開始した。また、免疫組織学解析で、肺組織におけるペリオスチンの発現がIPFの増悪、予後の予測因子であることの証明、In vitro、動物実験による肺線維症におけるペリオスチンの機能解析を行っている。1.免疫組織学的解析により、特発性肺線維症 (IPF)の肺組織におけるぺリオスチン発現量がIPFの増悪、予後の予測因子であることを証明:現在、ペリオスチン免疫染色を終了し、解析中である。 2.IPF特異的ぺリオスチンELISAキットを用いた大規模前向き性能試験のための全国コンソーシアムの設立 3.血清ぺリオスチンの① IPFのオーダーメイド医療のバイオマーカー、② 抗線維化剤のコンパニオン診断薬としての有用性を確立し、保険収載を目指す:全国30施設が参加し、観察期間は1年間、目標登録症例数は100例を達成した。主要評価項目は、ベースラインの血清ペリオスチン値による6、12か月間の呼吸機能低下予測性能の証明である。現在、観察期間中である。 4.In vitroにて、線維芽細胞からのペリオスチンの産生を阻害する物質をスクリーニング 5.同定された阻害物質によるマウスブレオマイシン肺傷害モデルの抑制実験を行い、IPF で初の ECM 蛋白をターゲットとした新規治療薬の基盤的研究とする:現在、実験準備中である。
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Adv Exp Med Biol
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