研究課題
吸入ステロイド薬を中心とした従来の治療に抵抗性の難治性喘息の病態の機序として、気道リモデリングや粘液過形成による気流制限があげられるが、その詳細なメカニズムは依然として不明である。そこで本研究では、気道上皮細胞の杯細胞分化および気道過敏性亢進におけるNFkB経路の役割とその制御機構を明らかにし、難治性喘息の新たな治療標的を見出すことを目的とした。気道上皮細胞由来のサイトカインは、樹状細胞、Th2細胞、ILC2細胞を介してアレルギー性気道炎症を誘導する。今回、ILC2細胞におけるT-betを介したIL-9制御が炎症制御に重要であること(JACI 2016 Matsuki et al.)、CD11b+樹状細胞に発現するDectin-1を介したチリダニ抗原(house dust mite)構成成分の認識が炎症誘導に結びつくこと(J Immunol 2017 Ito et al.)、気道上細胞はIL-22刺激によりReg3γを産生することで、thymic stromal lymphopoietin(TSLP)とIL-33の発現を抑制し、その結果アレルギー性気道炎症を抑制すること(J Exp Med. 2017 Ito et al.)、ユビキチンを介してNFkB負に制御するTNFAIP3(A20)のCD4陽性T細胞における発現がアレルギー性気道炎症を抑制することを明らかにした(manuscript in preparation)またNFkBを制御する働きを持つIkB蛋白ファミリーの1つであるIkBNSが、気道上皮細胞において杯細胞の代表的なムチンであるMuc5acの発現を制御し気道過敏性を制御することを明らかにした(Allergy 2017 Yokota et al.)。
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Allergol Int.
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