研究課題
本研究計画において掲げた達成項目は、①吸入誘発試験前後のケモカイン・プロスタノイドの変化、②ケモカイン・プロスタノイドの肺線維化における役割、③アンタゴニストによる肺線維化抑制効果、の3つである。平成31年度は、「②ケモカイン・プロスタノイドの肺線維化における役割」の検討を行った。過敏性肺炎における抗原吸入後の急性期には好中球性炎症が関与し,Th1リンパ球の活性化も起きていることが示唆された。過敏性肺炎において,特異抗原吸入直後には好中球性炎症とTh1リンパ球を介した炎症が早期より惹起されることが分かった。以前の検討で、急性期から慢性線維化に移行することにより、Th1/Th2バランスがTh1からTh2に移行することがわかっていたが、慢性線維化期症例でも吸入誘発という急性症状を誘発するとTh1の反応が残っていることが示唆された。本研究の知見をもとに過敏性肺炎の診断ツールとしてこれらのサイトカインやケモカインが有用であるかどうか検討していく予定である(雑誌論文5番)。また、Th2サイトカインに関連した細胞外器質タンパクであるペリオスチンも検討した。63名の慢性過敏性肺炎の診断時の血清中ペリオスチン濃度と臨床データを比較したところ、診断時のペリオスチン濃度が高いほど肺拡散能の低下が強く、予後も不良であることがわかり、予後マーカーとしての血清ペリオスチン濃度の有用性が示唆された(雑誌論文3番)。
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