研究課題/領域番号 |
16K09577
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
古橋 一樹 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70759935)
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研究分担者 |
鈴木 勇三 浜松医科大学, 医学部, 特任助教 (00758435)
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30291397)
榎本 紀之 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50436961)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 濾胞性ヘルパーT細胞 / ダニ抗原喘息モデル / 肺樹状細胞 |
研究実績の概要 |
我々は、肺樹状細胞(LDC)サブセットについて、それぞれ異なるヘルパーT細胞(Tfh)へ分化誘導能を有し、B細胞を介した抗体産生を誘導する能力も違うことを示してきた。気管支喘息におけるアレルゲン特異的IgE抗体産生において中心的な役割を担う濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh細胞)に着目して、肺においてTfh細胞が分化誘導される仕組みを解明し、Tfh細胞がどのように喘息の病態に関わっているかを明らかにするのが目的である。 平成28年度は、ダニ抗原(HDM)喘息モデルの作成し、同モデルと正常マウスの肺組織および縦隔リンパ節におけるLDCサブセットであるCD103+LDC、CD11b+LDC、monocyte-derived LDCを磁気分離装置とフローサイトセルソーターを組み合わせて、高純度で単離できることを確認した。さらにHDM喘息モデルにおける縦隔リンパ節でのTfh細胞の単離同定および局在解析をフローサイトメータと共焦点顕微鏡を用いて確認した。また同モデルの HDM特異的IgE/IgG1抗体量の測定、単離した各LDCサブタイプの共刺激分子等の表面抗原の発現および単離細胞のサイトカイン産生能の違いをELISA法とフローサイトメータで確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、平成28年度中に卵白アルブミン(OVA)喘息モデルから単離した各LDCサブセットとOVA特異的に反応するT細胞受容体を持ったOT-Ⅱトランスジェニックマウスを用いてex vivo共培養アッセイを確立し、Tfh細胞の分化誘導能を比較検討する予定であったが、OT-Ⅱマウスの購入および搬入手続きに時間を要した。現在は入手し繁殖を開始しているが、平成29年度に予定していた野生型マウスを用いたHDM喘息モデルの研究を先行し、LDCサブセットやTfh細胞の解析を行っている。その他の点については概ね計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に予定していた各LDCサブセットとOT-Ⅱトランスジェニックマウスを用いたex vivo共培養アッセイを確立し、Tfh細胞の分化誘導能を比較検討する。現在、OVAとHDMの両喘息モデルでの縦隔リンパ節におけるTfh細胞の経時的な局在の変化を共焦点顕微鏡で確認している。また喘息モデルで誘導されたTfh細胞を単離し、ナイーブB細胞とのex vivo共培養アッセイを確立し、クラススイッチ誘導および特異的抗体産生誘導能の検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
OT-Ⅱトランスジェニックマウスの購入および搬入手続きに時間を要し、購入搬送費用は次年度へ持ち越したため。
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次年度使用額の使用計画 |
上記のトランスジェニックマウスの購入搬送費用に使用する予定である。
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