我々は、細胞膜にカベオラ構造が形成される上で必須なCAV1とCAVIN1との結合を、ROR1がキナーゼ活性非依存的に両者に対するスキャフォールド蛋白質として機能して、CAV1のライソソームへの移動と分解を防ぐ役割を持つことを見出した。さらに、ROR1がカベオラ構造の維持を通じて、カベオラに集積するEGFRやMET、IGF-IRなど様々なRTKからPI3K-AKTへのシグナリングを維持し、肺腺癌細胞の生存シグナルを担っていることを明らかにした。このことから、腫瘍特異性を有するROR1を分子標的とすることで、様々なRTKの活性化を一網打尽に抑制することが可能であることが強く示唆された。
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