研究実績の概要 |
リンパ脈管筋腫症(LAM)の肺組織由来のリンパ管内皮細胞(LEC)と、対照肺組織(女性の肺癌患者の正常肺部分)から分離したLECを用いて、LAM病変におけるLECの内皮間葉転換の(L-EndMT)を検討することが研究の目的である。LAM患者で肺移植を受けた2症例からLAM肺由来のLECを分離・培養し保存したが、診断目的のVATSによる切除LAM肺の一部から、および対照肺から、のそれぞれからのLECの分離・培養には難航している。それぞれ、移植肺と異なり組織量が少ない、正常肺においてはもともとリンパ管が少ない、が原因と考える。現在、LECの分離法について改良を試みている。 一方、予備実験として、市販品の表皮微小循環由来のリンパ管内皮細胞(LEC)初代培養細胞、研究協力者の南カリフォルニア大学Hong先生からの供与である包皮組織由来のLEC初代培養細胞を用い、血管内皮細胞用培地(EBM)で培養している。通常の5%CO2インキュベーターでの培養と、5%O2濃度の低酸素環境での2種類の培養条件でのLECの増殖速度、TGF-beta, TNF-alpha, VEGF-C, VEGF-D等の炎症性サイトカインや増殖因子を添加した際の形態変化、内皮系マーカーや間葉系マーカーの発現の変化を検討し、LAM由来のLEC、正常肺由来のLECとの違いが検討できるように準備を進めている。
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