新規エリスロポエチン(EPO)阻害因子である抗EPO受容体抗体の測定系の開発を行うとともに、抗体の腎予後に及ぼす影響を検討した。ループス腎炎に続いて2型糖尿病性腎症を対象とした。抗体は腎生存率が小さいことと関連した。血圧や蛋白尿に加えて抗体を有することが腎予後に対する独立した危険因子であった。病理学的には、抗体は腎間質における細胞浸潤の割合が大きいことと関連した。培養尿細管上皮細胞を用いた実験の結果、抗体はEPOの抗炎症効果を一部抑制することにより間質炎症を増悪させる可能性が示された。これまでに測定法の改良に加え、マウス腎障害モデルを用いてEPOの臓器保護メカニズムについての検討を行っている。
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