蛋白翻訳後修飾の一つO-GlcNAc修飾は細胞内栄養センサーとして働く細胞内蛋白に対する翻訳後修飾である。近年、この翻訳後修飾の各臓器における生理的役割や、代謝疾患の病態形成における役割が明らかとされてきている。本研究では、O-GlcNAc修飾の腎臓での生理的役割ならびに糖尿病性腎症発症進展における役割を明らかとすることを目的とした。O-GlcNAc修飾を細胞特異的に欠損するマウスを用いた検討から、O-GlcNAc修飾はポドサイトの生後直後の成熟に必要であること、近位尿細管細胞における脂肪酸に依存したATP合成に不可欠であり、糖尿病性腎症の進展予防にも不可欠であることが明らかとなった。
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