プロトタイプの構築と実際の医療現場での運用を通じて、透析患者での地域医療情報連携システムを実現するための障害と課題を明らかにした。平時と災害時に真に必要な情報に絞ることで、安全性とコストの両立を図りつつ、現場のニーズを充足しうる地域連携透析情報システムを構築できると考えている。地域連携医療情報システムの普及は災害医療はもとより、平時の医療連携の促進により医療の均てん化や医療費の効率的利用にも貢献すると期待される。また、透析情報の標準化や正規化が進めば、正確で高密度な患者情報の共有、情報収集時間の短縮、重複検査の防止等、医療関係者と患者双方に便益が期待できる。
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