研究課題/領域番号 |
16K09647
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
大澤 正人 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (60733433)
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研究分担者 |
涌井 広道 横浜市立大学, 医学部, 助教 (10587330)
戸谷 義幸 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (30237143)
田村 功一 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40285143)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 動脈硬化 / 閉塞性動脈硬化症 / アフェレーシス / レニン・アンジオテンシン系 |
研究実績の概要 |
厚生労働省の定める先進医療Bとして実施する「正コレステロール血症を呈する従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症に対するデキストラン硫酸カラムを用いたLDLアフェレシス療法」についての、有効性の有無および安全性については、多施設共同にて症例を登録し、現在臨床試験を実施中である。 また我々は本研究において、すでに研究を展開している動脈硬化増悪因子受容体への直接結合因子(ATRAP)に着目した検討を行い、同療法の分子的作用機序の解明を目指している。まず基礎的検討として、現在のところ既に効果が認められ保険適応とされている脂質異常症を有する従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症に対するデキストラン硫酸カラムを用いたLDLアフェレシス療法における分子的作用機序を検討することを目的とし、ATRAPが病的刺激の持続によるAT1受容体下流の臓器障害と関連した情報伝達系の過剰活性化に対して選択的な抑制作用を発揮することに着目した。既に我々は、全身性ATRAP欠損マウスでは野生型マウスと比較して、高脂肪食負荷により糖代謝および脂質代謝異常をきたすことを報告している。今回、疾患モデルマウスとしてCre/loxPシステムを用いてATRAPの組織特異的発現抑制マウスの作製を試みた。まず既に作成しているATRAP-floxedマウスを、アデイポネクチンプロモーターCre発現マウスと交配しを行い、Adipoq-Cre+/-:ATRAP-floxedマウスを作製した。今後は高度な動脈硬化をきたす病的刺激条件下における検討等を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、厚生労働省の定める先進医療Bとして実施する「正コレステロール血症を呈する従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症に対するデキストラン硫酸カラムを用いたLDLアフェレシス療法」についての,有効性の有無および安全性については、多施設共同にて症例登録を行っている。同療法の分子的作用機序の解明を目指して、すでに研究を展開しているATRAPに着目した検討を行い、成果が得られてきている。
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今後の研究の推進方策 |
「正コレステロール血症を呈する従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症に対するデキストラン硫酸カラムを用いたLDLアフェレシス療法」については、症例が集まった地点で、解析を行う予定である。なお先進医療B申請準備段階から横浜市立大学次世代臨床研究センターとともに行っており、本研究における症例登録、データマネジメント、モニタリング、および統計解析についても、ともに実施し、統計解析などの問題が生じた場合には適時指導いただく予定である。 また今後は、動脈硬化性疾患に罹患した患者の臨床評価指標および血球成分(単球・白血球)検体を用いて、Real-time RT-PCR法によるヒトATRAP遺伝子の発現解析の検討もあわせて行い、まずは動脈硬化性疾患とATRAP遺伝子の発現レベルとの関連性について検討する。そして本療法を受ける患者の血球成分(単球・白血球)検体においても同様の検討を行い正コレステロール血症を呈する従来治療抵抗性閉塞性動脈硬化症の病態、および本療法の臨床的治療効果とATRAP遺伝子の発現レベルとの関連性について検討する予定である。
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