研究課題/領域番号 |
16K09675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
波田野 琢 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60338390)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / PARK14 / PLA2G6 / α-シヌクレイン / リノール酸 / リン脂質代謝 / レヴィ小体 |
研究成果の概要 |
PLA2G6はレヴィ小体を有する家族性パーキンソン病(PARK14)の原因遺伝子である。つまり、PLA2G6の機能障害はα-シヌクレイン(AS)の凝集に関わる。本研究ではPLA2G6ノックアウトハエモデルを作成し、AS凝集と神経変性について検討した。PLA2G6はリン脂質の酵素であり、ノックアウトハエモデルではドパミン神経細胞が脱落し、それに関連した運動障害、睡眠障害を呈した。さらに脂質構成が障害されており、シナプス終末の機能障害とASの凝集を認めた。この障害はヒトPLA2G6により回復したが、A80T病的変異体では回復しなかった。さらにリノール酸添加で脂質構成が回復し症状が改善した。
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自由記述の分野 |
神経内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
α-シヌクレイン(AS)は脂質膜、中でもリン脂質に直接結合する事が知られている。膜への結合能の変化はAS凝集に関連し神経変性の原因となる。本研究でリン脂質代謝障害とAS凝集との関連を明らかにしており、パーキンソン病(PD)の病態解明につながる成果を挙げた。さらに、脂質補充をすることで脂質膜を変化させAS凝集を抑制し、神経変性を改善させる事を明らかにした。これにより適切な脂質を摂取する食事療法による治療への応用、つまりは医食同源を実現できる可能性を示した研究である。神経難病であるPDの病態解明として、脂質酵素に焦点を当て治療への応用を検討しており、学術的および社会的意義が高い研究である。
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