孤発性パーキンソン病患者検体を用いた疾患iPS細胞モデルの確立とその解析を通じて、孤発性パーキンソン病の病態の再分類を行うことを目指している。H29年度は順天堂医院に通院する孤発性パーキンソン病患者から順次末梢血検査医を採取し蓄積を進めた。これまでにパーキンソン病約300症例、対照群約50症例に関して患者の同意のもとに検体の採取を完了した。一方でパーキンソン病患者由来ドーパミン神経細胞の誘導の効率化と表現型解析の高精度化を進めた。解析が先行するPARK2/6に関してマイトファジーを小スケールでイメージングサイトメーターを用いて定量する方法を確立した。同様にPARK9においてリソソーム異常を定量化するシステムを確立した。αシヌクレイン定量に関してはPARK4-iPS細胞を患者検体から樹立し、解析方法を確立した。細胞死などその他神経変性疾患に一般的な表現型に関しても定量化するシステムを確立した。一方で小スケールなiPS細胞の同時並行樹立方法の条件検討を行った。24wellプレートで樹立する方法は概ね確立された。マイトファジー、リソソームに関しては表現型検出方法がほぼ確立されたが、同時に細胞死・神経突起進展などの日特異的な表現型解析も含めて全ての方法の定量性を高めることができた。孤発性検体の解析が順次進行中である。今後はさらに末梢血検体採取を継続し、今後はさらに症例数を増やすことを目的とする。
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