研究課題/領域番号 |
16K09681
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
詫間 浩 帝京大学, 医学部, 講師 (00326258)
|
研究分担者 |
桜井 正樹 帝京大学, 医学部, 教授 (30162340)
郭 伸 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (40160981)
玉岡 晃 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50192183)
塩谷 彩子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60622735)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 前頭側頭型認知症 / siRNA |
研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)や前頭側頭型認知症(FTD)では、蓄積蛋白質TDP-43がそれぞれの疾患特異的な断片を形成して細胞質内に蓄積しており、部位特異的なニューロン死に関連していると考えられる。本研究では、これら二疾患を比較することにより、特異的な断片化を引き起こす因子をDNAマイクロアレイを用いて明らかにする。得られた因子はALS患者組織での発現、分布を検討し、病的意義を確認する。またALS発症にはRNA編集酵素であるADAR2の欠失が関与するが、ADAR2欠失ALSモデルマウスにおいてこの断片化因子を阻害することで、TDP-43断片化や細胞死を防ぐことができるかを検討する。本研究により、ALS発症に大きく関与するTDP-43断片化機構を明らかにし、運動ニューロン死回避への治療戦略を拓くことを目的とする。 今年度は培養細胞系において、ADAR2とGRNに対するsiRNAの配列選択と有効性確認を行った。ADAR2ならびにGRNが内因性に発現している培養細胞(Neuro2a細胞)にsiRNA(Stealth siRNAs (MSS201350, MSS201351, MSS272856)もしくはsilencer Select siRNAs (s201424, s67074, s67076))を導入し、各々ノックダウンを行なった。各siRNA導入後細胞からRNAを抽出しRT-PCRを行い発現量の低下を比較し、ADAR2ならびにGRNをノックダウンする最適な配列を決定した。またDNAマイクロアレイ、microRNAチップによる解析のためのマウス大脳皮質からの神経細胞体分取、蛍光標識神経細胞のFACSセルソーターを用いての分離、total RNAの回収について試行し条件検討を行なった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初in vitroならびにin vivoでのADAR2遺伝子とGRN遺伝子のノックダウン系の確立を予定していたが、培養系でのsiRNA選別に手間取ったため、in vivoでの試行が遅れ、培養系での確立にとどまった。また明らかな原因は不明であるが、in vivo導入後の喰殺が頻発し解析まで至っていない。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画に則り、in vivoでの解析に向けて電気穿孔法を用いての実験を加速する。初年度後半での計画であったマイクロアレイ分析のための細胞、核酸の採取には概ね技術的なめどがついたものと考えられるため、早急に細胞採取を行ない解析を進める。また並行して組織学的解析についても基礎的な技術の確認を行なう。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度は生体における解析に至らなかったために、免疫組織学的解析やin situハイブリダイゼーションなどの物品を購入・使用しなかったためである。また高額であるマイクロアレイ解析も行なっておらず、これらの費用を次年度に持ち越した。
|
次年度使用額の使用計画 |
当初の次年度計画に加え、今年度から持ち越した生体での解析、アレイ解析を行なうため、次年度使用額を使用する予定である。
|